初期〜後期研修医向け / 4原則・Jonsen・ACP・終末期
| 評価する要素 | 確認の方法 |
|---|---|
| 理解 | 「説明した内容を自分の言葉で話してみてください」 |
| 認識 | 「自分がその状態にあることを理解していますか」 |
| 論理的推論 | 「なぜその選択をするのか理由を教えてもらえますか」 |
| 意思の表明 | 「最終的にどうしたいですか」(一貫した返答ができるか) |
✦ 能力が疑わしい場合は精神科・臨床心理士への相談、または倫理コンサルテーションを検討する。
| ACP | 事前指示(AD) | |
|---|---|---|
| 性質 | 継続的な対話プロセス | 文書による意思表示 |
| 内容 | 価値観・希望・人生観の共有 | 具体的な治療の希望(蘇生拒否など) |
| 法的効力 | なし(日本) | 明確な法的根拠なし(日本) |
| 時期 | 病気になる前から継続 | 特定のタイミングで作成 |
✦ 日本では「家族が決める」文化が強いが、家族の意向=本人の意向ではない。常に「本人ならどう思うか」に立ち戻る。
| 確認すべき点 | 内容 |
|---|---|
| 医学的判断 | 複数の医師(できれば専門医)で予後・回復可能性を評価する |
| 合意形成 | 医療チーム内での一致した見解が前提 |
| 患者の意向 | 本人の意思・事前指示・代理決定者の意向を確認する |
| 繰り返しの対話 | 1回の話し合いで決定しない。状況の変化に合わせて再確認する |
| 場所 | 倫理的に重要な点 |
|---|---|
| 自宅 | 本人の希望が最も尊重されやすい。介護者への負担・緊急時対応の体制整備が必要。 |
| 病院 | 医療的安全性は高い。一方で「医療化された死」になりやすい。本人の希望との乖離に注意。 |
| 施設・ホスピス | 緩和ケアに特化した環境。家族の介護負担を軽減できる。 |
✦ 「家で死にたい」という希望が叶わなかった場合でも、その後の関わりが「よい死」を実現できることがある。場所だけが全てではない。
| 差し控え(Withholding) | 中止(Withdrawing) | |
|---|---|---|
| 定義 | 治療を開始しないこと | 既に開始した治療を止めること |
| 倫理的評価 | 同等。どちらも正当化条件が満たされれば許容される | |
| 心理的障壁 | 低い傾向 | 高い傾向(「見殺しにする」感覚) |
| 推奨されるアプローチ | 時間制限的治療(Time-limited Trial)→効果がなければ中止と最初から合意しておく | |
✦ 「無益」かどうかは医学的判断と患者の価値観の両方から評価する。医師だけが決めるものではない。
| 用語 | 意味・注意点 |
|---|---|
| DNR | Do Not Resuscitate。心肺停止時に蘇生しない指示。心肺蘇生「のみ」を対象とする。 |
| DNAR | Do Not Attempt Resuscitation。「試みない」という表現で、より正確。 |
| POLST | Physician Orders for Life-Sustaining Treatment。蘇生以外(人工呼吸・点滴・経管栄養など)も含む包括的な指示書。 |